あなたのいない夜に

(Thu)

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 しんと静まる世界に
 取り残される
 眠れないわたし
 あなたのいない夜に
 眠り方すらわからない

 そっと吐き出したネクタリンの皮
 大人になりきれない
 切れ端のわたし
 みずみずしい唇は
 濡れたまま
 さまよって

 甘いより酸っぱいを
 こころがキリリと
 締めつけられるような
 快感を含みたい

 ひっそりとした夜に
 口寂しいのね
 寝転がってひとくち
 伝う果汁にきのうのあなたを思って
 こころがキリリと
 締めつけられるような

 ああ なんて酸っぱい


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ミューカス

(Sun)

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 半分開けた窓から
 紺の濃霧
 研ぎ澄まされた夜
 一歩先にうずまく 甘やかなにおい

 冷たい風に
 肺の裏っかわが痛んだ
 肺なんて無ければよかった
 どうしようもなく悲しくて

 甘やかなにおい
 わたしの皮膚はひときわ潤いたつ
 しっとりとした
 誰にも暴かれない喜び

 このまんま溶け出してしまう
 わたしの皮膚からは良いにおいがして
 したたり落ちて
 甘やな濃霧は地上を覆うでしょう
 一度眠ったら もう

 内側から溶け出していく
 こんなにも冷たい
 紺色の夜だから
 甘やかな濃霧と混ざって溶けて
 ああ それだって笑ってしまうかもしれない
 しっとりと香るわたしの皮膚に

体温

(Sun)

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 ふるえる指先は
 あなたを捉えられるかしら

 溺れてしまいそう
 あなたのにおいに
 もう 身動きできない
 ふるえる心

 耽溺、
 そして淫楽
 あなたの心を探して
 あなたの海に沈み込む
 このまま死んでしまいたい
 もう 身動きできない
 ふるえる体

 溺れている
 あなたのにおいに
 もう 息もできない
 ふるえる瞼

 あなたを捉えられない
 ふるえるまなざし

二度と無いあさに

(Fri)

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 二度と無いあさに
 さよなら さようなら
 わたしのいたすべての日々に

 いとおしかったと思う
 すべての日々に
 どこにも行けないなんて嘘だ
 どこににもいなかっただけ
 ふわふわ した あさに
 わたしの足が 霧になって消えたの

 ミルキィなまなざし
 まどろみの兆しに
 指先の痺れる

 二度と無いあさに
 すべて すべて
 くちづけて


拡散

(Sat)

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 あなたの眠る
 春の夜に死にたいと思う
 冷たい空気に満たされて
 張り詰めた春に
 窒息してしまいそう

 ほどけていく指先は桜
 散って
 散って
 かき集めたって
 もう どこにもいない わたし
 もう 遠くに行くの

 春の夜はうすべに
 藍色に 溶けだして
 滲む恋心は夜のにおい
 濡れて
 ぬれて
 かき集めたって
 もう どうしようもないくらい
 散らばってしまって
 もう どこにもない 心が
 わたしの心が
 ひきちぎれて

 あなたの眠る春の夜に
 ひっそりと 死んでしまいたい
 散ってゆく花びらが
 散ってゆく春が
 わたしを あなたに
 教えてしまう前に
 ひっそりと

シロップ、SOS

(Sun)

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 やさしくしないで
 せめて 軽蔑のまなざしで見て
 みつめて

 凍えたゆびさきは
 真冬の炭酸水みたい
 泡が のぼって のぼって
 とけて
 そんな風に ゆびさきから とけてしまえばいい

 あなたの優しさにふるえる
 背骨が軋んでしまう
 せめて 軽蔑のまなざしで見て
 そうして わたしを現実に連れ戻して
 息の仕方くらい どうってことないの
 たぶん思い出せるはず
 思い出せるはず

 真冬の炭酸水みたい
 きんと冷えてとける
 瓶詰めの甘いゆめ
 泡が のぼって のぼって
 もうどこにもいけない
 どこにももどれない

 ひりりとしびれる、

よる

(Mon)

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 あさましき
 朝に めざめる
 ただ ひとり
 ゆめ かすか
 彼方に
 にじむ

 きみのいた
 夜 わかたれて
 ひとり ふたり
 遠きゆめ 置き去って
 たもとに 雨
 あめ にじむ

 ゆめの日々
 きみの眠る
 ゆめの日々
 眠りよりもやすく
 夢よりも まどろむ日
 おだやかな夜に
 わたしは泣いた
 きみのゆめに
 わたしは泣いた

 きみのいた
 やすき よる

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