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きりりと青白い眼差しに射貫かれた
僕の世界は 瞬間 たちどころに消えて
とけて 君と混ざり合おうと
輪郭を変える
研ぎ損ねた小指のつめが
すべらかな肌に傷を作った
幸福の色とは青だと思う。
恐怖と快感という紙一重に
垣間見た感情は
青かった
きりりと青白い眼差しに貫かれて
僕の体は 瞬間 呼吸を忘れる
震える 君の呼吸の中に
僕の知らない僕がいる
愛は青い。
君の心臓は青い血を流すか?
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湿った夜のにおい
冬がきたのね
今年も会えたのね
今年が限りかしらといつでも思うの
わたしか
あるいは冬が死んでしまうと思うから。
きつね色のお月様
毎夜ごとに
さよなら さよならと唱えて
毎朝ごと
朝が来ることにおびえてる
また目が覚めたことに一瞬安堵しながら。
湿った冬の夜のにおい
春の気配を探しながら
朝の気配を探しながら
ああ また今日の夜も
さよなら
さよなら。
暗く光る影に溜息
永遠に続く電灯がちらついて
わたしはどこを歩けばいい?
暗く光る小径のさき
嘘みたいに海が広がって
あなたはどこに行こうとしてる?
あなたの言葉を手に取って
そっと口に含んでみるの
“僕は” “そんなもんだよ” “傑出した”
あなたの思考のかけら
優しさを知ってしまう
茫洋と広がる海に
息を止めて
潜り込むの
言葉のあめ玉は
甘やかな酸素
あなたの言葉で息をしながら
まばゆい水面を夢見てる
優しさに満ちた
まばゆい水面を
沈む夢の中で
見つめている
秋の風と夜のあいだ
こんな都会のてっぺんで
土の匂いを嗅いだ
うっかり死んでしまいたくなるかもしれないから
どうか気をつけて。
優しくなかったあなた
言葉を持たないあなた
いつも他の誰かの中に在ったあなた
全部連れていってあげたい
このしっとりとした闇の中に
瑞々しい風ときらめく足音
じっと耳をすませて
指先には風が遊んで
こういう夜が一番危険なの。
肺には冷たい空気を満たして
どこかにあなたの匂いを探している
夜中のお散歩は麻薬の匂い
雨上がりの足音は
きらきら輝いている
凪いだ海をひとり歩く
どこまでも静かな夜
聞こえるのは 星の落ちる音
神さまの呼吸だけ
わたしを隠してくれる?
朝が来るのが怖いの
青白い悲しみが広がってゆくでしょう
砂浜を走って
走って
息を止めたって あなたに見つかってしまう
あすの朝
どこまでも静かな海
聞こえるのは 小さな泡の音
わたしの呼吸だけ
ああ神さま
わたしは真珠になりたいのです
悲しい日にも
息をして
生きていかなきゃならない
なんて残酷なの
あなたがいない日々を
どうして生きたらいいの
あなたは死んだの
この心の真ん中には
真新しい墓標
苦しいほどに
愛してたの
生きていかなきゃならないのね
なんて悲しいの
あなたのいない日々に
きっとあなたでない誰かをいつか好きになる
なんて悲しいの
夜が明けるみたいに
静かに死んでいきたいのです
じわりと冷える耳たぶに
付けた黒い真珠みたいに
流れる涙の熱を数えて眠る
どんな朝よりも白い
悔恨の夢を
あなたは知らないでしょう
ひとつ
ふたつ
みっつ
夢を溶かすには冷たすぎる
まどろんだあの夕べのように
重たく閉じるまぶた
落ちた影からは真珠が生まれるでしょう
おやすみなさいの代わりに。
ひとつ
ふたつ
みっつ
よっつ
あすの朝には
すっかり この唇も冷えていることでしょう