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憧憬

(Wed)

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 きりりと青白い眼差しに射貫かれた
 僕の世界は 瞬間 たちどころに消えて
 とけて 君と混ざり合おうと
 輪郭を変える
 研ぎ損ねた小指のつめが
 すべらかな肌に傷を作った 

 幸福の色とは青だと思う。
 恐怖と快感という紙一重に
 垣間見た感情は
 青かった

 きりりと青白い眼差しに貫かれて
 僕の体は 瞬間 呼吸を忘れる
 震える 君の呼吸の中に
 僕の知らない僕がいる
 
 愛は青い。
 君の心臓は青い血を流すか?


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目覚め

(Thu)

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 湿った夜のにおい
 冬がきたのね
 今年も会えたのね
 今年が限りかしらといつでも思うの
 わたしか
 あるいは冬が死んでしまうと思うから。

 きつね色のお月様
 毎夜ごとに
 さよなら さよならと唱えて
 毎朝ごと
 朝が来ることにおびえてる
 また目が覚めたことに一瞬安堵しながら。

 湿った冬の夜のにおい
 春の気配を探しながら
 朝の気配を探しながら
 ああ また今日の夜も
 さよなら
 さよなら。


雨上がり・大手町の夜

(Sun)

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 暗く光る影に溜息
 永遠に続く電灯がちらついて
 わたしはどこを歩けばいい?

 暗く光る小径のさき
 嘘みたいに海が広がって
 あなたはどこに行こうとしてる?

 あなたの言葉を手に取って
 そっと口に含んでみるの
 “僕は” “そんなもんだよ” “傑出した”
 あなたの思考のかけら
 優しさを知ってしまう

 茫洋と広がる海に
 息を止めて
 潜り込むの
 言葉のあめ玉は
 甘やかな酸素
 あなたの言葉で息をしながら
 まばゆい水面を夢見てる

 優しさに満ちた
 まばゆい水面を
 沈む夢の中で
 見つめている

étincelante

(Wed)

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 秋の風と夜のあいだ
 こんな都会のてっぺんで
 土の匂いを嗅いだ
 うっかり死んでしまいたくなるかもしれないから
 どうか気をつけて。

 優しくなかったあなた
 言葉を持たないあなた
 いつも他の誰かの中に在ったあなた
 全部連れていってあげたい
 このしっとりとした闇の中に

 瑞々しい風ときらめく足音
 じっと耳をすませて
 指先には風が遊んで
 こういう夜が一番危険なの。

 肺には冷たい空気を満たして
 どこかにあなたの匂いを探している
 夜中のお散歩は麻薬の匂い

 雨上がりの足音は
 きらきら輝いている

海の音

(Wed)

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 凪いだ海をひとり歩く
 どこまでも静かな夜
 聞こえるのは 星の落ちる音
 神さまの呼吸だけ

 わたしを隠してくれる?
 朝が来るのが怖いの
 青白い悲しみが広がってゆくでしょう
 砂浜を走って
 走って
 息を止めたって あなたに見つかってしまう

 あすの朝
 どこまでも静かな海
 聞こえるのは 小さな泡の音
 わたしの呼吸だけ
 ああ神さま
 わたしは真珠になりたいのです