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愛の反対のあい。

(Sun)

Posted in 読み物

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 「嫌いよ、嫌い。大嫌い」

 彼をどう思う? と聞いただけで、彼女は露骨に嫌な顔をした。

 「そうなの」
 「ええ、きらい」

 決して問い詰めたわけではないのに、その目は非難に満ちている。
 どうしてそんなことを聞くの、と。

 きらいと繰り返し、それはまるでわたしに向けているかのようにすら感じられる。

 「だって、あなた、いつも彼のことばかり話すんだもの。すきなのかと思って」
 「あまり頭の悪い事言わないで頂戴」

 それ以上わたしが続けないのを見て、彼女は顔を背けた。

 「…………ごめんなさい」
 「わかればいいのよ。私、あの人の事嫌いでしょうがないの。っていつも言ってるじゃない」
 「うん、そうだね。ごめんなさい」

 そうして、彼女はまた彼の話ばかりするのだろう。
 その蔑みに満ちた"好き"を、彼女は彼に向けているのでしょう。
 
 もし叶うのなら、あなたに嫌われる彼になりたい。




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