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眠る朝

(Fri)

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 失うということは
 かなしくて美しい
 日の差した庭の
 澄んだ空気のように

 透明な朝
 じゃりりと霜を踏みつける
 土の中に透明な破片を見ては
 朝を踏んだように思って
 泣いたものだ

 あの日の赤い音も
 晴れて冬に吸い込まれる
 よく冷えた空気の一部を
 わたしは踏みしめて立つ

 澄んだ空気のように
 人のまなざしはうつくしく
 死に際のあなたのまどろみは
 こっくりと悲しい

 慎ましやかな朝は
 わたしの足の下に眠っている
 密やかに凍った空気を踏みしめて
 あなたのまなざしを抱きしめる

 日ごとにあなたの残滓を追いかけ
 失うことのうつくしさを見つけようと
 冷たい夜をやりすごす
 あなたをなくした朝にも
 霜は降るだろうか


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