アンブレラ
(Sat)
Posted in 詩
彗星が僕の下に落ちる
濃紺の影が僕を追う
僕は逃げる
そうだ 早く
傘をささなければ
彗星の破片に埋もれてしまう
ガラスのように鋭い塵が
僕の頬を撫でる
名前のない宇宙と僕は
同化しようとしている
かつて人々が 星に名前をつけて
地に留めたように
宇宙は名前を持ち
ヒトの言葉には星の魂が宿る
そうだ 早く
傘をささなければ
彗星に見つかってしまう
いまだ名前のない宇宙が僕を見つけたら
彗星の 輝く破片に埋もれて
僕の名前は盗られてしまうかもしれない
(今年は肉眼で彗星が見られるかもしれないんですってね!)
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