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拡散

(Sat)

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 あなたの眠る
 春の夜に死にたいと思う
 冷たい空気に満たされて
 張り詰めた春に
 窒息してしまいそう

 ほどけていく指先は桜
 散って
 散って
 かき集めたって
 もう どこにもいない わたし
 もう 遠くに行くの

 春の夜はうすべに
 藍色に 溶けだして
 滲む恋心は夜のにおい
 濡れて
 ぬれて
 かき集めたって
 もう どうしようもないくらい
 散らばってしまって
 もう どこにもない 心が
 わたしの心が
 ひきちぎれて

 あなたの眠る春の夜に
 ひっそりと 死んでしまいたい
 散ってゆく花びらが
 散ってゆく春が
 わたしを あなたに
 教えてしまう前に
 ひっそりと
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No title

By ポール・ブリッツ(Fri)URL

心がばらばらになりそうな一瞬が、生で伝わってきます。

なんというか、わたしが好きな水無月さんの詩の、身を切るナイフのような硬質な鋭さと傷みが、まざまざと実感できるのです。

いい詩です。

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