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さよならの日々

(Tue)

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 悲しい日にも
 息をして
 生きていかなきゃならない
 なんて残酷なの
 あなたがいない日々を
 どうして生きたらいいの

 あなたは死んだの
 この心の真ん中には
 真新しい墓標

 苦しいほどに
 愛してたの
 生きていかなきゃならないのね
 なんて悲しいの
 あなたのいない日々に
 きっとあなたでない誰かをいつか好きになる
 なんて悲しいの

祈る

(Mon)

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 夜が明けるみたいに
 静かに死んでいきたいのです
 じわりと冷える耳たぶに
 付けた黒い真珠みたいに
 流れる涙の熱を数えて眠る 

 どんな朝よりも白い
 悔恨の夢を
 あなたは知らないでしょう

 ひとつ
 ふたつ
 みっつ
 夢を溶かすには冷たすぎる

 まどろんだあの夕べのように
 重たく閉じるまぶた
 落ちた影からは真珠が生まれるでしょう
 おやすみなさいの代わりに。

 ひとつ
 ふたつ
 みっつ
 よっつ
 あすの朝には
 すっかり この唇も冷えていることでしょう

水葬

(Sun)

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 細々と立ちのぼっていく花びらを見つめるの
 きれいね
 薄い氷の下で
 わたし 天使になれるかしら

 きらきらの雪が降りそそいでいるの
 肺の中には冷たい水が満ちて
 指先まで冷たい水が満ちて
 静かね
 こんなにも穏やかでいる

 青白いくるぶしに口づけしてね
 さようならのお時間です、なんて
 こんなにも苦しくて
 愛しかった
 あなたを好きだったわたし
 冷たい背骨を見せることもなく
 眠るの
 眠るだけ

 天使の冷凍保存をするの
 寒いわ
 あなたを忘れられない代わりに
 永訣しましょう
 こんなにも穏やかでいる


星になりたかった人

(Fri)

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 真冬の濡れたアスファルトに飛び込んでごらん
 黒々とした夜空に
 僕たちは飛び立つだろう
 黒々とした翼に
 雨粒がすべる様を
 見てみたくはない?

 真冬の濡れたアスファルトは風切り羽のにおい
 すべらかな流線型を思わす
 冷たいにおい
 ふくよかな翼を思い出せたなら
 飛べるまで、そう時間はかからない

 黒い羽のみずたまり
 いつのまにか解けてしまった翼
 星に近づきすぎたカラスは
 夜にとけた

 真冬の濡れたアスファルトに飛び込んでごらん
 黒々とした風切り羽を掻き分けて
 僕の足が冬の大三角を揺らす

あなたのいない夜に

(Thu)

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 しんと静まる世界に
 取り残される
 眠れないわたし
 あなたのいない夜に
 眠り方すらわからない

 そっと吐き出したネクタリンの皮
 大人になりきれない
 切れ端のわたし
 みずみずしい唇は
 濡れたまま
 さまよって

 甘いより酸っぱいを
 こころがキリリと
 締めつけられるような
 快感を含みたい

 ひっそりとした夜に
 口寂しいのね
 寝転がってひとくち
 伝う果汁にきのうのあなたを思って
 こころがキリリと
 締めつけられるような

 ああ なんて酸っぱい